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四季のおとない 6月


南高梅

 春の訪れを感じさせる梅の花や、梅酒、梅干などで日本人に馴染みの深い梅は、原産地は中国、バラ科サクラ属の落葉高木で、観賞用に育成された品種を『花梅』、食用に育成された品種を『実梅』といいます。
実梅は、梅干などに向く『漬け梅』や梅酒等に最適な『青梅』があり日本人の生活に根づいた食べ物です。
品種は大変多く実梅だけで、約100種以上あると言われますが、現在、全国的に栽培されている品種はわずかで、ほとんどが地方品種であり、関東地方の『玉英』『白加賀』『養老』、北陸地方の『藤五郎』『藤乃梅』『紅映』『剣先』、東北地方の『豊後』『高田梅』、関西では、梅の収穫量日本一の産地である和歌山の、『古城』『南高』が有名で、今では『梅と言えば南高梅』と言われるほど、全国的に知られた梅の最優良品種となっています。
南貴梅は、樹勢強健、豊作で梅酒、梅ジュース用の青梅として、また、梅干用の漬け梅としても適しており、果実が大きく果肉が厚くて柔らかく、梅の実に美しい紅をさすのが特徴です。


山椒の実

 山椒はミカン科の落葉低木で実や葉に爽やかで強い芳香とピリッとした辛味があり、和食には欠かす事の出来ない『香辛料』の1つです。
主な産地は和歌山、兵庫、岐阜、滋賀になります。
中でも和歌山は収穫量が全国の70%以上を占めています。
山椒には『木の芽』『花山椒』『実山椒』『粉山椒』そして『辛皮』などがあります。
『木の芽』は山椒の若葉の事で、緑が鮮やかで懐石料理などの彩りとして添えられ、また吸い口として用いられます。
『花山椒』は山椒の花の事を言い、緑黄色で小さく香りが良いので、吸い口や天盛りなどに使われます。
『実山椒』は名前の通り山椒の実の事で、実が青いので『青山椒』とも呼ばれています。
『粉山椒』は皆さんご存知の鰻の蒲焼に添えられる香味料で、熟した山椒の実の皮の乾燥粉末の事を言います。
『辛皮』は若い小枝の皮で香辛料や薬用に利用されます。


らっきょう

 らっきょうはネギの仲間としては辛さも香りも独特で、カレーライスの薬味で知られる甘酢漬けなどが有名です。
他に一般の家庭ではあまりされませんが煮物なども美味しく癖がないニンニクのようで甘味がありホクホクして栗や芋のような味わいです。
玉葱やニンニクなどと同じ香りや成分を含んでいるらっきょうは、ビタミンB1の吸収を助け疲労回復効果、炭水化物の代謝を活発にする働きや血液をサラサラにして血の塊を作りにくくすることで心筋梗塞や脳卒中の予防にもなります。


さくらんぼ

 初夏の果物と言えばサクランボ、サクランボはその可愛らしい見た目と甘酸っぱい味で人気のフルーツです。
栽培されているサクランボには2種あり生食向きの甘果桜桃とケーキや果実酒向きの酸果桜桃があり日本では甘果桜桃を中心に栽培されています。
現在の主な産地としては山形県で、全国の60%近くを生産しています。
サクランボには主成分であるブドウ糖、カリウム、鉄、リンなどのミネラル成分や、カロチン、ビタミンB1、B2、Cなどが含まれています。
サクランボに含まれるカリウムは高血圧予防に、鉄分やカロチンは疲れ目や肌荒れに、バランスよく含まれているミネラルやビタミン類は疲労回復に効果があります。


西瓜

 春先から市場に出回る熊本産の西瓜と入れ替わるように6月の上旬頃から店頭に並び始める鳥取西瓜。
鳥取の特産品である『スイカ』は、全国4位の出荷量があり鳥取県は西日本を代表する西瓜の産地です。
鳥取中部・西部の大山山麓の『黒ボク』と呼ばれる豊かな土壌で栽培された鳥取西瓜は大玉で外皮が厚く水分が豊富で、とても甘くて、シャキシャキとした歯ざわりが特徴です。


紅小玉

 小玉スイカの主な品種は紅小玉、スマートボール、黒小玉、ひとりじめ、肥後手毬などがあります。
中でも『紅小玉』という品種は最もポピュラーで人気の高い品種です。
紅小玉西瓜の主な産地は熊本、和歌山などで、5月は熊本産、6月は和歌山産が中心になります。
6月頃に旬を迎える和歌山の紅小玉は、完熟すると実がピンク色になり糖度が12度から13度と高く、普通の西瓜より甘くて、果肉内に種が少ないのが特徴です。
紅小玉は、実は丸く重さが2キロ前後と小さく、外皮は3mmぐらいできわめて薄いので大きさのわりに食べる所が多いのも魅力です。
小さいですが、美味しさがギュッと凝縮されてる紅小玉をぜひ一度どうぞ!!

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